経緯② -きっかけはしこり-
あれは、 2015年夏。
8月頃だったと思います。
夜寝る前にベッドの上で足をマッサージしていました。するすると足を触っていくと、右足にだけ小さなしこりを見つけたのです。
(こんなところになんだろう?)
というのが最初の感想でした。
何かあればすぐGoogle、が私の癖でしたので、夜中ですがスマホをぽちぽち。検索してみました。
うろ覚えですが検索ワードは
「足 しこり」
とかそんなものだったと思います。
太腿の付け根のリンパが痛みを持って腫れているのだとか、膝にクリっとしたしこりがあるだとか。
知恵袋などで質問されている方がたくさんいました。
(自分はどれにも当てはまらないな…)
と思いながらも、目に付いてしまった【骨肉腫】の文字。
ここが皮切りでした。
一気に青ざめて、血の気が引いていくのが分かりました。
検索結果にはガングリオンやら粉瘤、その他皮下腫瘤のような良性のものもたくさんあったのに、私の頭の中にはもう骨肉腫以外ありません。
(そうだ…そういえば前に、東日本大震災の原発事故で東京は放射能に汚染されてるって書いてあった…。被ばくもしているし、私は受験失敗のストレスもある。発ガンする要因ばかりだ…!)
そうとしか思えなかったのです。
翌朝慌てて整形外科を受診したところ、レントゲンを撮りましたが結局異常なしでした。脂肪の塊と言われ、今も体調は大丈夫です。
しかしそれ以来、ガンや死というものを身近に感じ、心配が絶えずドクターショッピングを繰り返してしまいます。
(思い返せばあまり親しくなかった遠い知り合いのあの人も、ガンだった…テレビをつけたら芸能人も…。そうだ、私だっていつでもガンになるんだ。なる可能性がある。なんて怖いことなんだ…)
そんな思いが私の中で芽生えました。
命の大切さに気がつくのは良いことです。しかし、何事もやり過ぎは良くないのです。
しかし一度芽生えてしまった思いが、冷静なもう一人の自分とは裏腹に消えてくれません。
また、骨肉腫の検査方法はレントゲンが主では無かった(当時ネットで調べたところ、血液検査をしたり、色々あったと思いますが記憶が曖昧で忘れてしまいました…)ため、医師から診断を受けてもしばらくは安心出来なかったのです。
私はこの時恐らく心気症を発症しています。
それ以来現在に至るまで、自分の頭の中ではどこか冷静な判断もできていて、
(まさかここまでしなくても…)
と思うものの、それでも病院に通うのを辞められないのです。苦しい日々です。
同じ症状の方、また周りにこういった心配性すぎる人を見かけた方のお役に立てれば幸いです。
心気症発症の経緯
まずは心気症(と言いながらも、プロフィールの通り心療内科で正確に診断を受けたわけではないので疑惑ですが…)を発症した経緯についてお話します。
数年前、大学受験時に受験に失敗。
時間が出来た私は以前から癖だった「ネット検索」によって、心気症へとずぶずぶ足を踏み入れていくような感覚でした。
浪人中、宅浪だった私は正直結構暇だったため、日課のネットサーフィンによりある記事にたどり着きます。
もはやそのサイトが今も公開されているのかは不明ですし詳細は忘れてしまいましたが、
「東日本大震災、またその当時の原発事故の影響で東日本は本当は壊滅状態。東京は放射性物質の汚染によって住むこともままならない状態だが、パニックを避けるため政府はその事実を隠している。東京都民ですら、将来は必ずガンで死ぬ」
というような内容のページだったと思います。
既にこの時震災から数年が経過しており、
(えっ、そうは言っても…)
と思いながらも検索を続けた私。
ネットにはネガティブな内容ばかりでした。
それが嘘か本当かはともかく、ネットの内容というのは話半分で読まなければいけないと、後に某方がニュース番組でお話されているのを聞きました。本当に身にしみます…。
しかしまあ、当時私がしたことといえば、いきなり病気を心配するよりももう少し軽いことでした。
それはズバリ
外に出る時は必ずマスクをする!
です。シンプル且つ地味…(笑)
放射性物質はマスクなどでは防げませんが、どうにもネットの内容ばかりを信じるわけでもないとどこか冷静な自分もいて、でもネットには危ないって書いてあったし何もしないのも…ということで、一応自分の気持ちを落ち着けるためにマスクをしたのです。気休めですね。
しかしこれで一旦は極度の不安から解消され、しばらく心気症の症状もなく月日は流れます。
大学に合格し、忙しい学生生活が始まったのです。
【つづく】